ペリカン万年筆 M800 EN刻印+イタリア刻印(ホールマーク)
ペリカンのM800です。
この万年筆の良さは、いろいろな人が、いろいろなところで、語っているかと思います。
でも、本当に書きやすいんです。
やや太めの軸なので、手が小さい人だととも思いますが、私も手が小さいほうではありますが、大丈夫です。軸の太さ的にはM600の方が小回りがきいて、ちょこちょこと書くことができます。M800だと、しっかりと、ずっしりと、ゆっくりと、書く感じです。「これから万年筆で書くぞ」と背筋を伸ばして、書く感じです。でも、それが心地よいのです。
しかも、このM800は現行のものとは少し違いがあります。
EN刻印にイタリア刻印(ホールマーク)も打たれたペン先を持っています。
小さくて分かりにくいですね(スイマセン)。ペンポイントのあたりがなんだか曲がって見えますが、光の具合でそのように見えているだけです。
ニブの根本「EF」刻印の右側にある刻印が「EN刻印」です。左側にある楕円形の窪みが「イタリア刻印(ホールマーク)」です。
ペリカンマークは「雛2羽」ですね。
このニブがついたM800はとても珍しいようです。日本で流通した数が極めて少なかったのでしょう。
肝心の書き味は。すごくいいです。以前、現行のM800を使用しており、その時も、書きやすかったのですが、現行型のニブよりも、しなりがあって、紙に吸い付いていくようで、気持ちがいい。柔らかいというか、しなりがあっていいです。本当に書いていると気持ちがいいです。
基本的性能はもちろん抜群で、インク乾燥はなし、書き始めからインクはついてきます。
もちろん、M800ですから、バランスが秀逸でいつまでも書いていたい。
天冠は金バッチ。高級で手間暇かけてるぞ、という印象を受けます。
好みに左右されますが、私は現行の天冠より、これが好きですね。
尾軸にも金バッチがあります。これも、手が込んでいる感じでいいです。職人さんが丹念に作っているぞ、手を抜かないぞ、という印象を与えてくれて、いいですね。
キャップのリングの刻印は「GERMANY」なので、東西ドイツ統一後に製造されたものです。90年代初期でしょう。
M800前期型に区分されているようですね。
希少性というところも魅力ですが、なによりM800という素晴らしい万年筆に、すばらしい書き味のニブがついた「EN刻印+イタリア刻印(ホールマーク)」。
巷で見つけたら、手に入れても損はない逸品でしょう。