デルタ万年筆 オールドナポリ ブラウン
デルタが廃業となって久しいですね。
そのせいもあってか、最近はデルタ万年筆の中古品に対する人気が高いような気がします。
さて、今回の万年筆は、そのデルタの万年筆、オールドナポリです。
デルタ万年筆といえば、ドルチェビータが有名ですね。あのオレンジのみずみずしさと黒の対照的な組み合わせ。うーん、素晴らしい。
では、このオールドナポリ(ブラウン)は。ドルチェビータに比べると地味ですが、さすがイタリア万年筆、素敵です。写真より実物の方がいいです。
オールドナポリの最大の特徴は、軸の形だと思います。長さが短く小ぶりな万年筆ですが、尾軸にキャップを差せば丁度いい長さになります。そして、軸が樽状に膨らんでおり、これが実に持ちやすいです。同時に、可愛らしい、愛らしい形状です。
ペン先のデザインもいいですね。ハート穴が本当にハート型です。
書き味は。それほど柔らかくありませんが、適度なしなりがあって、ガチガチではありません。でも、硬い方なのかな?細い字がしっかり書けます。
とても素敵で、書きやすいのですが、欠点もあります。
デルタ万年筆なら共通なのかもしれませんが、ペン先が乾きやすい。1日書かないでいると、書けなくなります。また、考えながら書いていると、すぐにドライアップしてしまう。
これは、実用性には厳しい問題です。
そして、キャップ勘合のねじ切りが、やわい。すぐにネジをなめてしまいそうで、怖いです。ドイツ製のしっかり感とは正反対です。
また、美的な問題は、キャップを尾軸に差すのにネジがあるのですが、何度やってもペン先の向きとクリップの向きが合いません。また、毎回クリップの向きが異なります。クリップの向きは持ったときのバランスにも影響するので、気になってしまいます。
美点と欠点の多い、デルタの万年筆。
趣味性の高い万年筆にあって、より好みが分かれる、悩ましい万年筆です。