Stipula スティピュラ 万年筆 リミテッドエディション "Vallecchi Voyage"

Stipula スティピュラの万年筆です。

イタリアの万年筆です。イタリアですね~、このデザイン。

いいと思うかどうかは個人次第です。

が、私は一目惚れしてしまいました。かっこいい。装飾が多いし主張がでかいですが、でもかっこいい。

まず、クリップ。こんなクリップ見たことがないです。こんなクリップにする発想がすごい。

そしてレリーフ(純銀です)。これはいかにもイタリアです。イタリアには行ったことはありませんが、映像をみると街中にレリーフがありますよね、イタリアって。



 

何と言っても凄いと感じたのが首軸です。

この「くびれ」、たまりません。ありえないですよこの形状。

しかも、どっしりとしたシルバー(純銀っぽいけど不明)のリング。

そして、持ち易いのです。デザイン優先と思いきや、なんと!とっても持ち易いのです。持ち易さも計算したのか、単なる偶然なのか。ともあれ、筆記具ですから持ち易さは重要な要素。

 

そして、ペン先。イタリックです。これは特殊ですね。意外だったのが、ソフトなタッチなこと。もちろんイタリックの形状故、横に流す感じで紙にあてると「ガッツリ」硬いのですが、縦に紙にあてるようにすると、柔らかいんです。これがちょっと「気持ちいい」。

 

そして、裏側にもレリーフが。

実際に持ってみて、使ってみて感じるのは、実にしっかりと造りこまれているということです。モンブランのような精緻さというよりも、職人さんが一つ一つ丁寧に造ったものだな~と感じます。

スティピュラはとても小さい工房で、職人さんが少量生産で手作りをしているそうです。いいですよね。

キャップにつけられたリングとねじの金属や、軸に掘られたねじもしっかりしています。まあ、一週間使用しないとペン先が乾きますが、数日程度なら平気です。

そして、軸はセルロイドでとてもとても美しい。

日本未発売のものらしいのですが、手に取るたびに見とれてしまう逸品の万年筆です。

 

PILOT パイロット 万年筆 創立90周年記念 螺鈿 朱鷺

パイロット万年筆90周年記念に作られた「螺鈿朱鷺」です。

渋~い逸品です。

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尾軸とキャップ先端には螺鈿が細工されており、美しいです。

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キャップのバンドはスターリングシルバーに漆の研ぎ出しを施し、水面を舞う朱鷺が描かれています。

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そして、ペン先。朱鷺の翼と思われる模様が彫られ、90周年を示す90の文字も。

書き味は何と言ってもパイロットです。少し弾力を感じる書き味は書いていて気持ちがいいです。中字ですが、日本語を書くのに支障はありません。インクフローも申し分なく、書きやすいです。

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キャップはポストしないで書きますが、とても持ちやすくて、バランスがいい。

さすがパイロット、書く時のバランスもしっかりと考えられています。

 

魅力でもあり欠点でもあるのは、地味なこと。とてもスペシャルな万年筆なのですが、地味です。いぶし銀の良さ、「わびさび」こそ真髄と感じられる方にはとてもお勧めです。

しかし、「85周年記念万年筆『飛天(飛翔天人)』」のような艶やかさはありません。

どちらも素晴らしい万年筆なので、そこは各人の好みなのでしょうね。

モンブラン ボールペン ヘリテイジコレクション ルージュ・エ・ノワール スペシャルエディション コーラル

モンブランの特別モデル「ヘリテイジコレクション ルージュ・エ・ノワール」のボールペンです。

万年筆の素晴らしさは、以前のブログで書かせていただきました。

今回はボールペンです。

まず、全体を見てください。

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小ぶりです。

短いです。全長が126mmくらいしかありません。

普通のボールペンが148mmくらいなので、20mmも短いです。

 

しかし、特筆すべきなのは、持ちやすいのです。

持つ人の手の大きさにも左右されると思いますが、持ったときに親指と人差し指の間に、このボールペンのヘッドが丁度収まるのです。

しかも、見ての通り、ヘッド周りに蛇が巻き付いているので重さがあります。その重さが親指と人差し指の間に掛かるので、安定するのです。

また、自重も35gくらいあるので、ずっしりしており、これが適度に安定感を作り出しているのです。

モンブランのボールペンで小ぶりというと「マイスターシュテュック116モーツァルト」でしょう。以前はこれも使用していたのですが、全長103mmくらいで自重が13gなので、まったく別物の書き味です。

モーツァルトは短くて軽いのでペンが暴れるように走っていきます。

ヘリテイジコレクション ルージュ・エ・ノワールは、落ち着いて書くことができます。もちろん、小ぶりなのでペン先を素早く走らせることも得意です。

 

「安定して持つことができ、落ち着いて書けるのに、振り回せる」

 

なかなか無二なボールペンではないかと思っています。

 

でも、見た目の好みは分かれますよね。

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何と言ってもこの「蛇」。

もう嫌いな人は嫌いでしょう。

でも、結構いいんです。

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そして、このホワイトスター。大きくて少しクリーム色。インパクトあります。

 

見た目さえ気に入れば、書き味は最高です。

いままで使用したボールペンである、「montblanc 116 / ダニエル・デフォー」「pelikanK400」「aurora リフレッシ・ソリッドシルバー」「parker ソネット」「delta ドルチェビータ マスターピース オーロ」の中では、1-2を争うほどの書きやすさです。でも一番はドルチェビータ マスターピースが書きやすかったです。

結構癖のあるボールペンもあるので、かなり主観が強いですね。

でも、「ヘリテイジコレクション ルージュ・エ・ノワール ボールペン」書きやすいと思います。

 

あまり人気がないようで、まだ入手可能です。試しにいかがでしょうか。

 

GRAF VON FABER-CASTELL グラフフォンファーバーカステル 万年筆 リミテッドエディション クラシックコレクション スネークウッド

GRAF VON FABER-CASTELL グラフフォンファーバーカステル 万年筆 リミテッドエディション クラシックコレクション スネークウッド

うーん長いネームですね。

グラフフォンファーバーカステルが造る万年筆の中でも、高品質を誇るペンです。

まずはスネークウッド。

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蛇の皮のような木目の大変珍しい木で、気乾比重が1.22と非常に重い為、世界一重い木のひとつだといわれています。また、生育している地域も限定されている事から入荷量が限られている為、非常に入手が困難となり、非常に高値で販売されているそうです。

その珍しさが一番なのですが、実は、その品質こそが使ってみないと分からないのです。

硬めの木からくるしっかりさと同時に、ウッドならでわの手触りの優しさ、縦に刻まれた溝(フルート)による滑りにくさ、これらが融合して、素晴らしい持ち味となります。

ウッドであっても比重が重いため、軽さを感じず、ずっしりとした重みを感じることができます。このずっしり感がたまりません。

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首軸と尾軸の金属(プラチナコーティング)との組み合わさって、抜群の筆記バランスとなります。ちなみに、キャップはしません。キャップ自体の重さはかなりのもので、尾軸にキャップをポストできるのでしょうが、明らかにリアヘビーになります。キャップをポストしない状態でも、尾軸の金属部分の重さがあり、親指と人差し指の間に適度な重みが加わり、抜群の安定感を与えてくれます。

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書き味といえば、ペン先(ニブ)。OEMで供給されているようですが(一説にはペリカン)、とてもしなやかで、書き心地のよいニブです。明らかにペリカンMシリーズのニブとは別物です。ペンポイントの研ぎ方も違います。

筆記跡も太い細いが出やすく、書いていて楽しいです。

縞模様のあるスネークウッドですが、個体差があるのと、使用していると黒ずんでくるのとがあり、縞模様が目立たなくなります。それがちょっと、スネークウッドを主張して自慢しにくくなるのが、残念。よく見ると縞模様があって、実はいい感じです。写真より、実物の方がいいですね。

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全体の質感は非常に高く、キャップを閉めるときの感触も一級品です。

スキのない、一流品。書き心地も素晴らしいです。スネークウッド以外の木のクラシックコレクションも、素晴らしいと思わる逸品です。

 

ペリカン万年筆 M800 EN刻印+イタリア刻印(ホールマーク)

ペリカンのM800です。

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この万年筆の良さは、いろいろな人が、いろいろなところで、語っているかと思います。

でも、本当に書きやすいんです。

やや太めの軸なので、手が小さい人だととも思いますが、私も手が小さいほうではありますが、大丈夫です。軸の太さ的にはM600の方が小回りがきいて、ちょこちょこと書くことができます。M800だと、しっかりと、ずっしりと、ゆっくりと、書く感じです。「これから万年筆で書くぞ」と背筋を伸ばして、書く感じです。でも、それが心地よいのです。

 

しかも、このM800は現行のものとは少し違いがあります。

EN刻印にイタリア刻印(ホールマーク)も打たれたペン先を持っています。

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小さくて分かりにくいですね(スイマセン)。ペンポイントのあたりがなんだか曲がって見えますが、光の具合でそのように見えているだけです。

ニブの根本「EF」刻印の右側にある刻印が「EN刻印」です。左側にある楕円形の窪みが「イタリア刻印(ホールマーク)」です。

ペリカンマークは「雛2羽」ですね。

このニブがついたM800はとても珍しいようです。日本で流通した数が極めて少なかったのでしょう。

肝心の書き味は。すごくいいです。以前、現行のM800を使用しており、その時も、書きやすかったのですが、現行型のニブよりも、しなりがあって、紙に吸い付いていくようで、気持ちがいい。柔らかいというか、しなりがあっていいです。本当に書いていると気持ちがいいです。

基本的性能はもちろん抜群で、インク乾燥はなし、書き始めからインクはついてきます。

もちろん、M800ですから、バランスが秀逸でいつまでも書いていたい。

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天冠は金バッチ。高級で手間暇かけてるぞ、という印象を受けます。

好みに左右されますが、私は現行の天冠より、これが好きですね。

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尾軸にも金バッチがあります。これも、手が込んでいる感じでいいです。職人さんが丹念に作っているぞ、手を抜かないぞ、という印象を与えてくれて、いいですね。

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キャップのリングの刻印は「GERMANY」なので、東西ドイツ統一後に製造されたものです。90年代初期でしょう。

M800前期型に区分されているようですね。

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希少性というところも魅力ですが、なによりM800という素晴らしい万年筆に、すばらしい書き味のニブがついた「EN刻印+イタリア刻印(ホールマーク)」。

巷で見つけたら、手に入れても損はない逸品でしょう。

デルタ万年筆 オールドナポリ ブラウン

デルタが廃業となって久しいですね。

そのせいもあってか、最近はデルタ万年筆の中古品に対する人気が高いような気がします。

さて、今回の万年筆は、そのデルタの万年筆、オールドナポリです。

 

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デルタ万年筆といえば、ドルチェビータが有名ですね。あのオレンジのみずみずしさと黒の対照的な組み合わせ。うーん、素晴らしい。

では、このオールドナポリ(ブラウン)は。ドルチェビータに比べると地味ですが、さすがイタリア万年筆、素敵です。写真より実物の方がいいです。

オールドナポリの最大の特徴は、軸の形だと思います。長さが短く小ぶりな万年筆ですが、尾軸にキャップを差せば丁度いい長さになります。そして、軸が樽状に膨らんでおり、これが実に持ちやすいです。同時に、可愛らしい、愛らしい形状です。

ペン先のデザインもいいですね。ハート穴が本当にハート型です。

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書き味は。それほど柔らかくありませんが、適度なしなりがあって、ガチガチではありません。でも、硬い方なのかな?細い字がしっかり書けます。

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とても素敵で、書きやすいのですが、欠点もあります。

デルタ万年筆なら共通なのかもしれませんが、ペン先が乾きやすい。1日書かないでいると、書けなくなります。また、考えながら書いていると、すぐにドライアップしてしまう。

これは、実用性には厳しい問題です。

そして、キャップ勘合のねじ切りが、やわい。すぐにネジをなめてしまいそうで、怖いです。ドイツ製のしっかり感とは正反対です。

また、美的な問題は、キャップを尾軸に差すのにネジがあるのですが、何度やってもペン先の向きとクリップの向きが合いません。また、毎回クリップの向きが異なります。クリップの向きは持ったときのバランスにも影響するので、気になってしまいます。

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美点と欠点の多い、デルタの万年筆。

趣味性の高い万年筆にあって、より好みが分かれる、悩ましい万年筆です。

パイロット シルバーン 龍 (旧型)

パイロットの名器、シルバーンです。

パイロットの万年筆は、どの万年筆でも日本語が書きやすいですが、このシルバーンも書き味が素晴らしい。

でも、まずは形から。

 

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この流線形がたまりません。美しい。いつまでも撫でていたい。スターリングシルバーなので、冷たさがなく、キャップをした状態で持っているのが心地よい。ついつい、手の中でニギニギしてしまいます。

ちなみに、持った時には見た目より軽く感じます。

 

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そして、細かく彫刻された龍。精密なエッチングによって「東洋の龍」が掘り出されています。美しいかと言われると「どうでしょう?」。かなり好みの差は激しそう。「冬木立」などであれば美しいと言えますが。しかし、シルバーン「龍」のレア度は高いです。なかなか、目にしません。美しいかはともかく、精密に龍が刻まれており、いい仕事がなされているなということを感じます。

 

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クリップは旧型なので、現在のパイロット共通の玉クリップではありません。実は私、パイロットの玉クリップのデザインがどうしても…。なので旧型にしたと言って過言ではありません。

 

さて、書くぞとキャップを外します。キャップは勘合式で「クッ」と外れます。嵌めるときは「パチッ」としっかり嵌ります。このしっかり感は、さすが日本製。

 

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そして現れるのが、特徴的なニブです。大型18金のはめ込み式のニブです。指の爪のようなニブ。見た目のインパクトもありますが、何と言っても書き味が最高の部類です。

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ペン先はお辞儀しています。お辞儀ニブというと、ペリカン140や400nnなどを思い出します。パイロットのポスティングもお辞儀していますが、ポスティングニブとは全く別物です。

シルバーンのニブの書き味は最高の部類と先ほど書きました。何が最高なのか。決して硬すぎない、けど柔らかすぎない、しかもスムーズ、でも先走りすぎない。日本語を一文字一文字しっかりと書くことができて、かつ書いていて気持ちがいい。しっかり感がありつつ、ガチガチしていない。「とめ」「はらい」「はね」がしやすいのに、スムーズ。

筆圧が弱くても書けますし、強めの筆圧もがっちりと受け止める。

くせになります、これは。

 

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また、キャップを尾軸に差した時のしっかり感がいい。安定しており、グラグラする感じが微塵もない。キャップをしないでも筆記できますが、キャップを差した時の方がバランスがいい。とても持ちやすく書きやすい。

持ったときは、見た目より軽く感じます。重さに委ねて文字をつらつらと書いていくのではなく、しっかりと「とめ」「はね」「はらい」をするのに最適な重さとバランスといって過言ではないかと。

 

シルバーンは新品も手に入りますし、かなりお勧めの逸品です。